「態度の学習設計は難しいが、
なんとかならないもんだろうか?」
まだ残暑が続く10月。まなばナイトは久しぶりに神戸での開催となりました。
【日時】
2025年10月18日(土)17時〜19時30分
【現地会場】
センタープラザ西館貸会議室 8号室(兵庫県神戸市中央区三宮町)
※ハイブリッド開催
今回のまなばナイトのテーマは『態度の学習設計は難しいが、なんとかならないもんだろうか?』
インストラクショナルデザイン(ID)に関わる人であれば誰もが課題感を持つであろうこのテーマ。お話しくださった登壇者は、放送大学教養学部教養学科情報コース准教授 平岡斉士先生です。
今回も現地会場とオンラインから多くの方が参加され、桑原千幸さんの司会のもと、会は進みました。
対面会場では、武蔵野大学響学開発センター教授であり熊本大学大学院教授システム学専攻同窓会の顧問でもある鈴木克明先生もご参加されました。
平岡先生からはワークの導入段階と、2つのワークの中間段階で解説がありました。
導入時の解説では
「宣言的知識、手続き的知識、認知的方略は『何を学んでほしいか』を伝えることで学習できることがあるが、そもそも『態度』は学習できるのか?」
「カートパトリックの4段階評価とARCSの関係性」
という動機付けに関連するIDの諸理論のお話がありました。さらには
「態度を教育現場での学習として設計するのは難しい。また態度について、論理的説得や感情的訴えなど、コミュニケーションで解決を図ろうとすることは効果がない」
というお話がありました。私はこれまでに学んだIDを振り返りながら授業実践者として現場をこれからどうしようか、と思い浮かべながら理解を深めることができました。
また、ワークの間の解説では、動機付け理論のよりどころである教育心理学の諸理論の紹介がありました。
ワークは
個人ワーク1 態度の学習について自由に書き出す
グループワークで共有、話し合い
全体へ発表
↓
(平岡先生より態度の学習の理論や研究についての解説)
↓
個人ワーク2 態度にまつわる他の研究に目を通しての再考
グループワークで話し合い
全体へ発表
という流れで進行しました。
鈴木先生からは最後の講評として、
「ガニエの理論は態度を学ぶのに効果が一番あるのは『直接経験』」
「態度だけは(それを主にした設計や実践は)無理だから、他と絡めてやらないとダメ」
等といったお話をいただきました。
「先祖返りしたとしても今のARCS理論に足りないものを提案するならば価値がある!」の最後のお言葉は、ID分野で今後研究し論文を書く私にとって「忘れてはいけない教訓だ」と、心して受け止めました。
私自身は、関西での対面参加が多く、最初に参加したのはまだ現役生でも同窓生でもない3年前です。
そんな私でも疎外感なく楽しめたアットホームさがまなばナイトの魅力であり、私の原点です。
IDに興味がある学び手であれば楽しめること間違いなし!なので、まだの方はぜひ参加してみてください。
次回のまなばナイトは11月8日(土)大分別府での開催です。
(熊本大学大学院教授システム学専攻博士後期課程 福田美誉)