第45回 まなばナイトレポート

テーマ「コロナ禍でのICT対応」

まなばナイトが始まって45回を数えるなか、初のフルオンライン開催となりました。

緊急事態宣言も出され、この間社会全体さまざまな場面で、急激な変化に見舞われています。今回は修了生の中から、企業1名、大学2名の事例紹介に加え、入学したばかりの大学一年生からも受講生の立場から事例の共有をいただきました。

事例1:千葉さん(5期生:企業の教育や研修への取り組み)

岩手県立大で鈴木先生の授業を受けたことなどの自己紹介から、幾度か仕事の場を変える中、現在の置かれた立場状況で、あるもの、学んできたこと、経験してきたことを活かし、使えるものは使ってできることをやる という働きっぷりを語っていただきました。


事例2:桑原 千幸さん(大学での対応):博士5期生 京都文教短期大学 ライフデザイン学科 准教授

学科主任もされ、多忙な中講演をまとめてくださいました。

非常勤教員への集中サポートWeekや、学生が通学できない期間への適応サポート等数々の取り組みを紹介いただきました。「学生との命綱は、メール」「LINEオープンチャット(アカウントを晒すことなく参加できる)がうまくいった」「課題を前倒して受け付ける」などの工夫をされているとのこと。

息抜きをさせるにはどうすればよいか? といった課題感を持っていることも、質疑にこたえる形で共有いただきました。

事例3:淺田 義和さん(大学での対応):9期生   自治医科大学 情報センター 講師

じわじわと対応が迫られた時系列に、学生を帰省させたりというところから学内のオンライン授業化の支援まで、慌ただしくも新たな知見も得られた2か月ほどをご紹介いただきました。

追加コストは大丈夫だったのかという質問には、オンライン授業のための基盤整備に奔走された苦労話で返されていました。

事例4:大学生(受講者のリアルな声)

4番目の登壇者は現役の大学1年生。この春入学し、まだ一度も大学に足を運んでいないという、ナマのオンライン受講生から体験を語っていただきました。オンラインでも結構いける。でもイケてない先生の講義は本当に授業になっていないと手厳しく、学校関係者からは耳が痛いとの感想が漏れていました。


グループセッション

休憩を挟んで、グループセッションはZoomのブレークアウトルームを使って複数グループに分かれ、話題提供者の講演内容や身の回りに起きている課題などについてディスカッションしました。

私が参加したグループでは、「いまは毎日朝会していて意識共有が密になった。孤独にさせないことが在宅勤務では大事」といった企業の現場の話から、遠くサウジアラビアから参加くださった修了生の、ご当地ロックダウン事情などでも盛り上がりました。


クロージング:鈴木先生

「同じ大学にもどってはしかたない、期待値はあがっている。」修了生の働きっぷりにエールをおくりつつも、いまこそIDで変化を力に新しいスタイルを創っていこうと檄を飛ばされました。また、IDマガジンへの寄稿や、歴史的なアーカイブが出来つつあるとしてNIIのサイバーシンポジウムを紹介いただきました。

ヒゲ講師のID活動日誌(81):with新型コロナの「ニューノーマル」をデザインする http://idportal.gsis.kumamoto-u.ac.jp/?page_id=55&cat=32&n=23696

4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/


途中参加、途中退場もありましたが、最大75名ほどの参加をいただきました。


本編に続き、Zoomを使ったWeb懇親会も行われました。別会場としてRemoとspetial.chatの2つのサービスも体験しました。

今年も隔月で開催予定のまなばナイトですが、会場で直接集まれるようになっても、ハイブリッドな開催に取り組んでみたいと思います。


(熊本大学大学院教授システム学専攻同窓生 加地 正典)