第5回まなばナイトレポート

「独習?自己調整学習?」〜サイバー自習室の取り組みから

第58回まなばナイトは、サイバー自習室を主催、研究されている修了生の髙橋さんをメインスピーカーにお迎えし、東京は代々木の鉄板焼き屋さんを会場にZoomとのハイブリッドで開催されました。


【サイバー自習室】

独習者がそれぞれの独習タスクを持ち寄ってオンライン上に集い、「Pomodoro Technique」に従って独習ペースを同期させ、互いの存在を認識し合いながら各自の学習目標達成を目指す。

(ご参考:JSET全国大会での発表より)

https://idportal.gsis.jp/files/2020jset_mtakahashi.pdf

https://idportal.gsis.jp/files/JSET2022A_takahashi.pdf

取り組みの背景として、独習できないこととの葛藤、Study with meとの出会い、pomodoroテクニックを知るも、使えそうだがなんか寂しい感、そんな中からオンライン自習室のスタイルを模索するようになったとイントロがなされました。


続いて「苦しみから解放してくれそうなナニカ」として、「パーチャル自習室〜オキ郎〜」や N高校の「オンライン自習室」など、調査されたいくつかの事例も紹介いただきました。


そこからは、実際に思考と試行を繰り返しているサイバー自習室について、入室から退出までの流れや主催者としての運用など説明いただきました。


まとめとして、サイバー自習室活用と自己調整学習について、動機付け、行動、メタ認知の側面から、サイバー自習室活用で期待できそうな効果を説明されました。


最後に今後の展開について、Webアプリ製作やナラティブプログラムなど、溢れる構想が披露されました。

「サイバー自習室」はツーリングに似ている。

仲間と一緒に走り 同じタイミングで休み

走っている時、何を見たか 何を感じたかを語り合う

そして仲間と一緒だと 自分の力よりも遠くまで行ける

(髙橋 操)

QAセッションでは、以下のような質問が出されました。


Webアプリなどのツール以外に、向く人向かない人といったマインドセットの部分、接続前のインストラクションはあるのか。

→自習室は暖かいところである。個人的な情報も含め、だんだんと打ち解けていくところ。オリエンテーションを手厚くやっている。


同じ課題に向かうのがいいのか、別々の課題でもいいのか、振り返りはやりづらくないか。

→タスクはバラバラ、多様でいい。


関係性のない人でも成り立つのか、主催者としてのとりくみはどうか。

→GSISという接点だけで初めましての人ばかり。やりたいことを何ポモでと見立て、宣言し、それを抑止力にして独習に取り組む。それぞれ主催したい人がやるタイミングで開室するフリースタイルを継続している。


目標の立て方

→細かくするのがよく、ポモドーロテクニックにも馴染む。共有タイムで、盛り込みすぎたとかいった振り返りをしたり、他の参加者からフィードバックをもらうことも多い。


参加者からの関心も多様で熱心に質問と回答が行われていました。

セッションの最後には仲林先生からもコメントをいただきました。

着眼点としておもしろい。コロナでいろいろなことがオンラインになった。ミーティングやりましょうというとオンラインでということになるが、集まるだけの場をつくりましょうというところがポイント。

考えてみれば大学のゼミもテーマはバラバラで集まっていて、どこまですすんでいるんだというのがわかる。

心理的安全性を保ちつつ独習に集まれる場をデザインされている。

時間を決めて取り組むというのも自己調整にすごく役立つ。

実証データを集めていただくと面白い研究になりそうです。

ここからは、オンラインはブレークアウトルームに分かれ、東京会場はテーブルに集まってグループディスカッションを行いました。

それに先立ち、髙橋さんから問いかけがありました。

ワークが終わって、各グループで話されたことの発表と、髙橋さんからのコメントという形で共有が進みました。

話題提供後のQAセッションの時もそうでしたが、髙橋さんの、質問や指摘をしっかり受け止め、フィードバックや説明を丁寧に返している姿勢が、たいへん素晴らしかったです。

最後に鈴木先生からも、

「主催者の魅力がどのように影響しているか、今後の研究で明らかになっていっても面白いかと思いました。

まだ緒についたばかりの研究で、今後が楽しみです。」

とクロージングのコメントをいただきました。


今回は、IDを学び実践する学習者が集まる「まなばナイト」の場を使って、自身の取り組みを発信したり問いを発してフィードバックを獲得するという理想的な構成で進行できたと思いました。参加の皆様、ありがとうございました。

今後の1スタイルとして、また取り組めたらと考えています。


次回は2月25日の開催予定です。またお会いしましょう!

(熊本大学大学院教授システム学専攻同窓生 加地正典)

3.今後、改善した方が良いと思われる項目と改善法があれば、ご提案いただけますか

日程・時間帯3 件の回答

なし

ちょうど良いです

週末や祝日を希望します.

開催場所4 件の回答

現場の方々がうらやましかったです。可能であれば、九州でも開催してほしいです。

wifiがなくとも電源だけでも確保できる場所

ハイブリットは大変ですが、遠隔で参加できるのは良いです

特になし

プログラム構成3 件の回答

なし

良かったです

特になし

その他4 件の回答

XRの教育・研修実践の話などがあるとうれしいです

上京したかったです

不満はありません.

Zoomで参加しました。ブレイクアウトルームで一緒になった方の中にGSISの1年生と科目等履修生の方がいらっしゃいましたが、同期型の授業があるため途中で退席されてしまったのが残念でした。授業準備を考慮したスケジュールの調整をしていただけますとありがたいです。


4.今後、取り上げてほしいテーマがありましたら、ご記入ください。3 件の回答

質的研究法、量的研究法

修了生の活躍

GSISの修了生の研究について