第23回 まなばナイトレポート
『日々の実務での動機づけ
~やる気を引き出す工夫を探る~』
第23回まなばナイトは『日々の実務での動機づけ~やる気を引き出す工夫を探る~』と題して、病院内でのスタッフ教育に尽力されている実事例を提供していただくため杏嶺会一宮西病院看護師 天野裕香さんをお迎えし、参加の皆さんとやる気について考える会として平成28年6月5日(日)に開催しました。
まず、オープニングとして熊本大学大学院教授システム学専攻 前期専攻長 鈴木克明先生から「再び名古屋にて開催でき、多くの方に参加していただき感謝いたします。まなばナイトは宴会です。皆さんと飲み語らいましょう。」との挨拶から始まりました。
続いて、スピーカーの天野さんから『日々の実務での動機づけ~やる気を引き出す工夫を探る~』として、所属の自信を無くした部下をどのように育成させたかの実事例を提示いただきました。
その中では、
(1)自分自身の経験をもとに部下育成の工夫を試みたところ、自ら行動できるようになった。
(2)その工夫の内容をARCSモデルにて分析してみると、いろいろな要素が入っていた。
(3)学習意欲を引き出すためには、ARCSモデルを用いてヒントを探すことが近道である。
(4)この成功事例を理論的に分析することで、自分の行った育成の工夫をナレッジ化し、他の指導者にも普及して指導者育成に役立てることができる。
との提示がありました。
この後、テーブルディスカッションを行いました。参加の皆さんには、事前課題として自分が受け持つ「研修名」「対象者」「内容」「何らかの工夫」をまとめていただいたため、ARCSモデルにて紐解いて自分の研修などの「強み」と「弱み」に分析・共有していただきました。
使用教材はこちら→「学習意欲を高める作戦 〜ARCSモデルに基づくヒント集〜」
ディスカッション後には発表として、各グループの代表者がARCSモデルにて補強することを披露していただきました。
クロージングは、スピーカーである天野さんと鈴木先生からご助言をいただきました。
天野さんからは、ARCSモデルのA・R・C・Sの全部を取り入れるのではなく、何を習得させたいかを考えた上でA・R・C・Sの何を補強すべきかを考えてみると良いのではと助言をいただきました。
鈴木先生からは、最近読んだ本に働き方の形態について掲載されていた。この形態には「雇用」「請負」「委託」という3種類があるようである。看護師さんは雇用されていると考えてはダメではないか。患者を死なせないために働いているのであって、その視点から請け負っているという考え方であるべきである。そして、先輩がプライドを持ってプロフェッショナルとして率先して仕事することで、自ずとやる気を出すことが可能となる。結局のところは、自分が9−17時で働いているサラリーマンだと思っているうちは、ARCSモデルを使っても解決にはならないのであろうとご助言をいただきました。
中部地方で3回目となりましたが、今回も多くの方々に参加していただきました。参加の皆さんからは、もっと参加者間での話がしたかったなどとご意見をいただき、まなばナイト@名古屋はまだまだ改善すべきところもあります。しかしながら、有意義であったとのお声もいただき、主催者としてホッとしているところです。ご参加いただきました皆さん、開催までご支援いただきました皆さんには心から御礼申し上げます。
熊本大学大学院教授システム学専攻同窓生 大石 奨
事後アンケートとして、参加の皆さんにwebにてご回答いただきました。回答者が全員ではありませんが、その結果を以下に提示します。(画像をクリックすると拡大表示できます。)