第49回まなばナイトレポート

コロナ禍での社会人学習はどうすればよいか

2021年1月のまなばナイトは特定の話題提供者はおかず、参加者のみなさんがそれぞれにお持ちの悩みや考え、アイデアを出し合うワークを行いました。

ディスカッションテーマは以下の3点です。
・コロナ蔓延での環境の変化 -今困っていること-
・私が考える解決策 -今やってること-
・グループでの気づき -多職種で議論したからこそ見えたこと-

様々な立場の方が参加され、活発にディスカッションがなされていました。


コロナ禍でオンライン研修、オンライン会議が主流になり、対応できる人、対応出来ない人等様々な人がいる中、特に多かった意見としては、「新しい信頼関係の構築」が難しいと話題にあがることが多かったように見受けられます。

すでに信頼関係が構築されている人とはオンラインでも意見交換やディスカッションしやすいが、初めてオンラインで顔を合わせる人がいると、同じ組織内でも意思の疎通が難しいという意見がありました。

特に新入社員に関しては、同期とも同じ部署の社員とも顔を合すことなく入社し、オンライン会議等で人間関係の構築が難しいのではないかという話があがりました。これについては大学でも2020年4月入学の学生も入学式もなく授業はフルオンライン、オンライン授業参加はするが顔は出さないので誰が同級生か分からず1年を過ごした人も多いのではないでしょうか。


また、テレワーク等で業務をするにあたり「ON/OFF」の切替がうまく出来ない、家庭のネット環境の充実さも問題点としてあがりました。

学習方法が変わりつつあり、対応出来る人、出来ない人との格差や、オンラインなので地域関係ないと思うがやはり情報格差があるように感じる等、テレワークやオンラインに対応しきれていない方がいるようです。


オンライン学会や勉強会が増え、今まで距離を考えて参加を見送っていた会にも参加はしやすくなったが、休憩時間の雑談や開始までの場の温め等が難しい。また、ブレイクアウトルームであっても1対1での会話が終わるまで話掛けにくい。話すタイミングが難しい等の話もあがりました。

オンデマンドで参加できるものは期限までに観ればいいと思い、結局観ずに終わってしまったりするものもあったとのことです。


今後、オンライン研修、オンライン会議は避けては通れなくなるため、「どう進めていけばうまく行くか」を社内で検討し進めて行くしかない。その中でチームビルディングや体験の共有等で今までと違った視点をもち、「"うまくいかなくて当たり前"というチャレンジ精神で進めて行きたい」、「継続していくことに意味がある。」等前向きに捉えられている方が多かった印象です。

グループに分かれてのディスカッションでは、第47回のまなばナイトでも活用事例が取り上げられたGoogleのJamboardでグループごとのテンプレートが用意され、発表にも活用されました。

事前の告知や練習もなく使われましたが、大きな混乱なく使えたようで、またほかのグループの様子がチラ見できるなど体験することができました。 

グループに分かれてのディスカッションでは、これらの話題提供も受け、日頃のおなやみや改善アイデアについての議論がされ、発表タイムでも熱のこもったトークが繰り広げられました。


参加者のさまざまな体験と、そこから発せられる悩みがありありと出され、共感あり提案あり、深堀したりと濃厚な議論が聞けました。


テレワークやオンライン授業のみで他人と関わることがなく、ひとり暮らしで「コロナ鬱」という言葉をよく聞くようになりました。今回の話の中ではその言葉を聞くことがなかったので、メンタル的にサポートされている企業が多いのではないかと感じました。素晴らしいことだなと感じました。

またリアルに顔を合わせての開催ができることを楽しみにしつつ、次回以降もまたよろしくお願いします。

熊本大学大学院教授システム学専攻同窓生 北川 周子