第26回 まなばナイトレポート

『人工知能とインストラクショナルデザイン』

平成28年12月3日(土)、第26回まなばナイト@東京を開催しました。

今回は、久しぶりにIT系の話題でということで、熊本大学大学院教授システム学専攻の客員教授としてもお世話になっております仲林先生にご登壇いただきました。

本編は、まず1期生の加地から、最近気になっている教育系ITサービスの紹介をいたしました。

manabanight#26.jpg

・ N高校 dwango×プログラミング授業

高校生にWeb上でプログラミングを教え始めたエンジニアがこの8ヶ月間で得た気づき

・ドットインストール 遂にコンテンツ制作スタッフ募集!?

【リモート勤務OK】 レッスン動画の制作をしてくれるエンジニアを募集しています!

二つの事例を通して、決して教育の専門家ではない人が、伝わり学べるデザインを行っていることに着目。エンジニアリング寄りのIDerが振り返るヒントやこれらがスケールするために必要な仕組みとAIの関係など、考えていきたいとまとめました。

そして本題、仲林先生のレクチャーです。

タイトルにある「人工知能とインストラクショナルデザイン」、人工知能は、実は古くて新しいキーワード。仲林先生の経歴やさまざまな学会で取り組まれてきた人工知能やその周辺の研究アプローチと、教授方略の研究との接点を、論文やチャートを引きつつ解説いただきました。

「人工知能のトラウマの歴史:知識獲得ボトルネック」

誤概念とバグモデルについて、小学生の引き算を例に間違いにはパターンがあること、とはいえ、そのパターンを明らかにすることの難しさ、それに向き合い躓いてきたという経緯が語られました。

続いてビッグデータについて。

「ビッグデータの逆転の発想:因果から相関へ」

AmazonのレコメンドシステムやGoogleの翻訳、日本語変換から自動運転まで、膨大なデータと劇的に低下した計算機コストにより相関を導き出すことが実用的に行われるようになった。しかし相関はわかっても因果はわからない。

時間内にすべて終わらないことが見えたところで最後のセッション。

「人工知能のブレークスルー:「特徴量勝負!」とディープラーニング」

文字認識を例に、判別など何かをさせるには特徴量がカギだが特徴量は結局人が決めていたこと、そこに前出の知識獲得ボトルネックがあることなどの背景、自己符号化器によるアプローチと特徴量の自動抽出への期待について話されました。

それぞれグループディスカッションをしながらセッションを進めましたが、内容が濃く議論もまとめずらく用意いただいたスライドを1/3ほど残してのクロージングとなりました。

また機会を設けて続編を開催できればと思います。

まなばナイト実行委員・熊本大学大学院教授システム学専攻同窓生 加地 正典