第6

まなばナイトレポート

テーマ:ChatGPTとインストラクショナルデザイン

2023 年12 月9 日(土)、年内を締めくくる「まなばナイト」が千葉⼯業⼤学津田沼キャンパス、高橋先生の研究室を会場として開催されました。


テーマは「ChatGPT とインストラクショナルデザイン」。話題提供者は熊本⼤学⼤学院教授システム学客員教授の仲林清先生と、修了生(第10 期)の北川周子さんでした。

仲林先生からは「ChatGPT にレポート作成を指示する演習の実践」の研究成果について御講演いただきました。講義で「ChatGPT にレポートを書かせる」課題を出し、学生がどのようなレポートを作成するのか、その作成レポートの分析からの考察をお話してくださいました。

同じテーマで、同じ教材(ビデオ)を視聴しても、各々の使用する用語や⼊⼒する文章の違いで、ChatGTP から返されるレポートが異なり、そのレポートの分析から学生に対する教育的観点と今後ChatGTP をうまく利用していくためにはどうしたらよいのか、改めて考える講演でした。今は新しいツールとして何となく使っているChatGTP ですが、今後は教育の場でも日常的に使用するようになりそうです。そのため、ChatGTP の「適切な使い方」や「利用することの意味・目的」を含めたルール作りと事前周知が必要となりそう・・・・・・と考える機会となるお話でした。

次の話題提供者北川さんからは「ChatGPT に丸投げして講座を作ってみた」という実践についての御講演でした。

実際にChatGTP だけで作成した場合でも音声が⼊り動画として⾒栄えのする講座が作成できていたことに驚きました。そのあとに述べられた考察で、プロンプトの書き方には注意や⼯夫が必要である点、万一ChatGTP にウソをつかれたらどうするのか︖この作成した動画にだれが責任取るのか︖とありました。この考察を聞いて、今後利用していく場合には内容のチェックや確認、精査など自分自身で気を付

けて⾏わなくてはならない事と感じました。その他の考察でSME は必要であること、ID を取り⼊れる構成についても述べられていました。

講座(教材)はChatGTP に作れたとしても、内容のチェックや確認、精査などの⾒極めや構成の助言などには、まだ人間(SME として)の能⼒が必要とされていると感じました。

仲林先生、北川さんの講演の後にはグループディスカッションを⾏いました。各グループでのディスカッションの後にはそれぞれからたくさんの意⾒が発表されました。

今回もまなばナイトでは、最近のトレンドであるChatGTP を通して色々な事を考える機会となりました。ChatGTP に作業内容の公平性や作業軽減の期待はできますが、現時点での整合性の不安や最終的な確認作業の負担が危惧される一方、我々人間の存在意義も確認でき、少しだけホッとしました。


次回のまなばナイトは224日(土)に開催されます。

 

 

( 川村美好 修士課程13期修了生)