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第33回 まなばナイトレポート

2018年6月13日(土) 第33回まなばナイト@東京


第33回まなばナイト@東京は、いつもお世話になっているCO☆PITが移転でクローズ中のため、ビジネス・ブレークスルー大学麹町校舎の会議室をお借りしての開催となりました。


今回のテーマは

「Moodleのログ解析から見る教学IR」


 テーマに惹かれてか、告知を始めてからすぐに反応があり多くの参加者を迎えて開催することができました。

 最初のご発表は、淺田さん。教学IRとは「教育のPDCAサイクルを回すために、教育に関する種々のデータを収集・分析するお仕事」Moodleとは「世界的シェアのLMS( ≒ eラーニングシステム)の一つでオープンソース。クラウド版 ( moodlecloud )もある。長所:なんでもできる/短所:なんでもできすぎる」と開催テーマのキーワードをざっと話していただき、LMSとそれに関わる役割、機能、情報についてもオーバービューを示していただきました。


 続いてご自身の取り組みから、標準のレポート機能でもそこそこの分析はできるものの、活用されているかは先生次第というところもあり、いろいろ普及の活動は行うものの、一方で自身の取り組みでは標準機能で見られないところにも関心が向かい、データを直接SQLで処理することも多いと、いくつかの事例を示しながら語ってくださいました。

 続く登壇者の喜多先生が取り上げる話題として、ご自身も関心を寄せられているLearningAnalyticsの機能についても、MedicalTeacher誌(論文)の記事を引いてMoodleの学習活動とドロップアウトの相関についての研究を紹介してくださいました。


 続いてのご発表は、喜多先生から。

 Moodle 3.4から正式機能として組み込まれた Learning Analytics機能について、その概要から実際に進行中の科目を使っての表示例もご用意くださり、リアリティあるプレゼンテーションでした。


 Moodleに組み込まれたLearningAnalytics機能は、ざっくり言って各種コースのアクティビティに「認知的」と「社会的」な側面からのプライオリティ付けを行い、そのコースでの活動の状況から分析や提案を行うものと理解しました。その裏には、より深く研究が進んでいる理論があると思いますが、割と納得性のある仕組みだと感じました。

 ドロップアウトの定義は、コースの後半1/4において活動が無くなる恐れと定義されているそうで、計算アルゴリズムについてはオープンソースらしくフォーラムでディスカッションされているとのこと。多くのAIライブラリがPythonで書かれているのに対し、PHPで書かれていることや、独自の分析モデルを実装することも可能であることなど、知見を共有いただきました。

 最後に、印象として「あぁ、やっぱりね」的な結果の表示がMoodleでも見られるようになったと思うが、学習履歴から行動変容につながりそうかという分析ができないか期待しているとのコメントをされました。

喜多先生の発表資料は https://goo.gl/XX553n で確認できます。


 3人目の話題提供として、甲斐さんからは、教材の改善事例とその悩みについて発表がありました。

 リアルタイムに科目を履修中の出席者もいて、さまざまな視点で意見が出されました。

 教材の改訂は学習目標の達成に向けた改善活動の一つであり、問題点の仮説検証や課題発見にLMSの学習履歴分析は欠かせないものだと思う一方、修士課程といったプログラム全体の長さやカリキュラムにおける位置づけ、入口と出口の条件など多面的なとらえ方をした時に、Learning Analyticsを無理に利用するのではなく、助けを借りるべき課題と使うために必要なスキル、ツールへの理解など、考える軸をしっかり持たなければと感じました。


 3つの発表と質疑を経て、残りの時間はテーブルごとに気づきや疑問などをディスカッションしました。


 最後に鈴木専攻長から、クロージングとしてメッセージをいただきました。ダッシュボードと呼ばれる可視化を、教授者に、あるいは学習者に提供していくときに、あらゆるデータが取れたとして、何をどう組み合わせ、判定していくのか、まさにホットなトピック。可視化されたその数字がどう作用するのか、見た瞬間思考が引っ張られる数字のマジック、皆さんはどうお感じだろうかと、深みに入りそうなところにちょっと引いた視点を投げかけられた思いでした。


 本編終了後の懇親会にも多くの参加があり、大いに盛り上がりました。


 次回東京開催は10月の予定です。またお会いしましょう!


まなばナイト実行委員・熊本大学大学院教授システム学専攻同窓生 加地正典

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