第30回 まなばナイトレポート

平成29年10月7日(土) 第30回まなばナイト@東京

 

今回のテーマは

『GOLDメソッドを使って人財育成を考えよう!』

日本医療教授システム学会の代表理事 池上敬一先生をお迎えして、GOLDメソッドについてのワークショップを開催しました。

 

最初に、池上先生ご自身の研修医、臨床医のご経験を踏まえ考案されたGOLDメソッドについて説明していただきました。また、GOLDメソッドで活用する具体的なツールについて、(新人)看護師が「急変させないための患者観察テクニック」を学習する際の教材を示しながら解説していただきました。

参加者の皆さん、真剣に池上先生のレクチャーを聴いています。

 

その後、グループディスカッションに入る前に、池上先生から

「GOLDメソッドを使って人財育成できそうですか?」

「いままでの教え方・指導の仕方と何が違いますか?」

「学びやすいと思いますか?」

「教えやすいと思いますか?」

「GOLDメソッドを使って人財育成する場合、どのようなツールがあると良いと思いますか?」

という質問が出されました。

3つのグループそれぞれで議論する質問を選び、グループディスカッションがスタートしました。

 

20分ほどのワークの後、グループでディスカッションしたことを各グループ発表していき、それについて池上先生がフィードバックするという形で進めていきました。

参加者の皆さんの職業の背景はさまざまでしたが、各グループのディスカッションは大いに盛り上がりました。

 

ここで、ディスカッションした内容の一部を簡単にご紹介します。

 

「教えやすいと思いますか?」

実践検証カード(実践するのに必要な段階と手続きを表したスクリプト)を作成し、学習活動を見える化することで、学習者の学習過程を支援しやすい。学習者が何につまずいているか分かりやすい。

ただ、教育(学習支援)する側が一方的に実践検証カードのようなスクリプトを提供するのではなく、学習者自身が自分でスクリプトを作れると良い。

 

「GOLDメソッドを使って人財育成できそうですか?」

このGOLDメソッドを活用するためには、まず教育する側の指導者がこのメソッドを十分に理解することが必要である。“できる”人財を育成するには、運動技能を中心としたスクリプトのみならず、知的技能、思考力を高められるスクリプトを用いた教育を実践していくことが必要である。

 

ディスカッションが深められたところで、ちょうど時間となり閉会となりました。

 

GOLDメソッドに初めて触れた参加者が多かったのですが、エキスパートの行動を形式知化し、新任者がエキスパートの能力を効果的・効率的・魅力的に学習できるGOLDメソッドを、開発者の池上先生から解説していただけたことで、参加者は医療に関わらず、さまざまな人財育成に活用できることを感じているようでした。

またディスカッションを通じて、人材育成における多くのヒントを得ることができたと思います。

 

池上先生、参加者の皆さま、ご参加いただきありがとうございました。

 

まなばナイト終了後、懇親会があり、そちらもとても盛り上がりました。

 

 

次回は、2017年12月9日(土)東京にて開催いたします。

開催テーマは、「経験学習とインストラクショナルデザイン~経験の内省・概念化を促進する授業の設計と実践~」です。

講師として、仲林清先生(千葉工業大学情報科学部)をお招きいたします。

皆さま、ぜひご参加ください。

まなばナイト実行委員・熊本大学大学院教授システム学専攻同窓生 三宮 有里